多層なレイヤーを重ね、
心地よいピートの世界への
入り口をひらく。
多層なレイヤーを重ね、
心地よいピートの世界への入り口をひらく。
私も含め、厚岸蒸溜所にはウイスキーづくりの経験者がいません。スコットランドの文献や技術者に学び、トップレベルの企業が行っている品質管理を採り入れるために一人ひとりが勉強を重ねてHACCPの認証を取得し、一歩ずつ手探りで製造工程を築き上げ、ウイスキーづくりの技術を磨いてきました。
こうした経験を通して辿り着いたひとつのかたちが、ウイスキーの味や香りに“多層なレイヤー”を重ねていく、独特なブレンド法です。季節ごとにつくり分けた原酒や、いくつもの木種の樽を掛け合わせ、複雑さと奥深さを生み出していく。スコッチウイスキー特有のピートの世界をただ再現するのではなく、日本の若い女性にも楽しんでいただけるような“フルーティさ”を醸し出していく。「自分たちのウイスキーが、心地よいピートの世界を一人でも多くの方に知っていただくための入り口になれたら」。そんな想いで今日も、ブレンダーという仕事と向き合っています。